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クロニックス(Chronixx)、自身初のフル・アルバム、「Chronology」を語る
2017年8月28日 ソース: npr.org
関連: ジャマイカ、コンシャス・ラガ、動画
アーティスト、クロニックス(Chronixx)、本名ジャマール・マクノートン(Jamar McNaughton)は現在24歳だ。しかし彼はすでにジャマイカ全土で盛り上がっているオールド・スクールなレゲエに回帰しようという運動、ルーツ・リヴァイバル・ムーブメントのリーダーとして崇められている。

しかし、“混じりけのないピュアな”レゲエとはどういうものなのか彼はわからない。7月にリリースされたデビュー・アルバム、「Chronology」を彼は「ブラック・エクペリメンタル・ミュージック」と呼ぶ。ゴスペル、ファンク、スカ、エレクトロなど異なった音楽の影響があったからからだ。
「何千年もの間音楽とともに生活し、大昔の音楽を演奏する自由を与えられた」西アフリカのミュージシャンと比べ、「西洋では昔、俺たち黒人の苗字は“スミス”、“ブラウン”、“マッキントッシュ”と平凡だった。だから新しい音楽を作るためには、まさに魂を売らなければいけなかったんだ」と彼は言う。

世界のポップ・ミュージックに多大なる影響力を持つ、ジャマイカン・ミュージックは異なったジャンルの音楽の影響を受け続けてきた。スカはニュー・オリンズ・ジャズ、レゲエはアメリカのソウル、ブルース、ファンク、ダンスホールはヒップ・ホップとお互いを形作ってきた。「1つの木の複数の枝」と表現する彼の音楽には全ての伝統的な音楽が含まれている。

「時々違いが分からなくなってくるよ。違うのは文化と言葉だけ。でもビート―ハートビートは同じままなんだ」と彼は言う。

クロニックスの音楽には様々なジャンルが見え隠れする。例えば「Chronology」に収録されている‘Majesty’はジャマイカ人レゲエ・アーティスト、オーティス・ゲイル(Otis Gayle)がカヴァーしたスピナーズ(Spinners)の‘I’ll Be Around’のトラックを使用している。

ニューヨークのレゲエ・デュオ、フェデレーション・サウンズ(Federation Sounds)のDJ、マックス・グレイザー(Max Glazer)はクロニックスの才能は彼自身の歴史が物語っているため驚きは無いという。グレイザーは昨年、クロニックスとツアーを共にし、ミックステープを共同制作している。

クロニックスは「本当によく音楽を聴く。彼は歌うだけじゃない。プロデュースもすればエンジニアリングもする。テクノロジーに本当に興味があるんだ。彼には学ぼうとする姿勢があり、人と違うことにもチャレンジもする」とグレイザーは言う。

クロニックスの音楽に対する視野の広いアプローチが幅広いリスナーに受け入れられる理由だとグレイザーは語る。

「クロニックスのショーにはハードコア中のハードコアなレゲエ・ファンが足を運ぶし、大学生も来る。白人、黒人、人種的に見ると本当に様々だ。小さな子供連れの親から、その祖父母まで全ての人が見に来た」と彼は話す。

クロニックスの家族も彼の音楽へ対するアプローチに大きな影響を与えてきた。彼の父親は1990年代前半にいくつものヒットを飛ばしたダンスホール・アーティスト、クロニクル(Chronicle)だ。

クロニクルの名前が彼の息子の存在を明確にしたという。「道端でも“クロニクルの息子だ”、教会に行っても“クロニクルの息子だ”とどこへ行ってもそう呼ばれていた。スタジオに行って、“俺はクロニクルの息子だ”と言えばどこでも扉を開けてくれたよ」とクロニクルは説明する。そして友人達は彼のことを“クロニックス”と呼び始める。

クロニックスが曲を書き始めたのは6歳の頃だった。「正義と平等」、「前向きなこと」について書いた。15歳の時にはプロデュースとミキシングを始めた。彼の父親は子供たちに楽器を与え、やしの木をオーディエンスに見立てて音楽を演奏させた。

「私の子供達はいつも歌っていた。“ジャマール”、クロニックスのことだ、“リードを取れ、ステイシー(Stacy)とケニーシャ(Kenisha)、チェ(Che)はハーモニーを歌うんだ”と言ってジャマールにビールのボトルを渡したよ」とクロニクルは振り返る。

クロニックスはこう続ける。「ビールのボトルをマイクに見立てて使うんだ。妹達はモップをコーラス・マイクに見立て、振り付けを踊ったよ。俺たちはちゃんとパフォーマンスしなきゃいけなかった。親父はパフォーマンスの仕方、ステージの上での踊り方、そして―」

「-オーディエンスへの話し方を教えた」とクロニクルが口を出す。

「自分の父親から音楽を教えてもらうことで、自分たち、スパニッシュ・タウンの人々の、ジャマイカの貧困区域、ゲットーで生まれ育った人々に根付いた文化に肌に感じることが出来た」とクロニックスは言う。「それがどんな感じなのかを音楽を通じて表現すること」それこそが今の彼の使命だ。



ソースURL: http://www.npr.org/2017/08/21/542628389/it-s-not-just-reggae-says-chronixx-call-it-black-experimental-music

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